工芸
一戸町・鳥越の竹細工
鳥越の竹細工
山野に自生する「スズ竹」を利用した竹細工は、二戸地方の特産品として知られています。最近の研究では、縄文土器の底からスズタケと考えられる編み物の跡が見つかり、縄文時代から利用されている可能性が高まりました。
江戸時代になるとカゴやザルが作られていた記録が見られます。
鳥越の竹細工の中心はカゴ類で、戦前は行李(衣類などを入れるもの)、戦後は手提げカゴが多く作られました。
材料を丁寧に整えて編むため仕上がりがきれいなのが特色で、特に内側と外側の両方に表皮の出る「合わせ編み」の技術は高い評価を得ています。丈夫でしなやかなのも特徴のひとつです。
(昨年頃から鳥越の竹細工の材料であるスズタケの枯れが各所で急速に進み採取が困難になっています。スズタケは数十年に一度花が咲いて枯れると言われており、今がちょうどその時期にあたってしまいました。一度枯れると回復までに時間がかかるそうです。)